2012年-ナチュラルスタイル開業
開業時に設置した手書き看板
・疲れてどうしようもないくらいツラい思いをされている女性の方々に少しでも楽になっていただきたい!
・どうしたらもっと身体を楽にすることができるだろうか?
そういう思いからNSはスタートしました。
開業当初にポスティングしたチラシ
開業当初は、女性限定のリラクゼーションサロンとして得意のもみほぐしとリンパマッサージをそれぞれに、お客様に好きな施術と時間を選択してもらうという一般的にあるリラクゼーションサロンに習ってサービスを提供していました。
揉みの強さもお客様の好みに合わせていましたので、強い方が好みの方には力いっぱい圧をかけていましたし、毎回決まった一連の流れでもみほぐしならもみほぐしだけをリンパマッサージならリンパマッサージだけの施術を行っていました。
ある女性のひと言をきっかけにサロンは大きく方向転換していく
<施術時間を2時間にするきっかけ>
この地域は60分 3,000円が相場で、当店でもこのメニューが一番人気だったのですが、疲れが溜まられている方は施術が終わる頃にようやく身体がほぐれてきて、芯からコリをほぐすには時間が足りないといつも思っていました。
そんなとき初めて120分のリンパマッサージを希望されるお客様がいらっしゃいました。
スーッと寝息をたててとても気持ちよさそうな表情で眠られていて、終わられた後に「やっぱり120分を受けると違いますね!疲れが芯から取れた感じがします」そう言ってくださったのです。
施術後は表情がパーッと明るくなられ、お顔がいつもよりスッキリされていました。
それからというもの、そのお客様は毎回120分を受けてくださるようになりました。
このことで、60分と120分では身体の緩み具合があきらかに違うことが分かってきたことから、ほんとうに疲れを取るのには最低でも2時間は必要だということを確信するようになっていきました。
少し恐かったのですが、このことをキッカケに思い切ってメニューの選択をやめて120分だけのメニューにすることにしました。
価格も上がったために当然お客様は減りましたが、時間が長くなったことでお客様の様子や身体により丁寧に向き合えるようになっていきましたし、施術の中身と共にサロンのあり方を見つめ直すキッカケにもなりました。
他にそんなサロンはありませんでしたので、正直当時は不安で不安で仕方なかったのも事実です(笑)。
これまでに積み上げてきた施術を組み合わせることを思いつく
<フレッシュアップセラピーを開発>
最初は、もみほぐしとリンパマッサージを組み合わせた施術からスタートしました。
この2つの施術を組み合わせているサロンを調べてみるとどこにもありませんでしたので、施術後のお客様の顔がパーッと明るくなることから「フレッシュアップセラピー」と命名し、お客様と向かい合いながら2つの施術のバランスを探っていきました。
それぞれ単独の施術を行っていたときに比べると疲労回復効果は格段に高まり、お客様からとても喜んでいただけるようになりました。
フレッシュアップセラピー
開発直後に配布したチラシ
ところが、同じ施術を繰り返し行っている時には感じなかったことに気付き始めることに、、、
お客様の身体の状態は毎回来店される度に変化し、コリが出来たり硬くなったりむくんだりする部位が全く違うことに気付いていきました。
それまで同じ施術を繰り返し行っているときは気付かなかったことだったのです。
それまでもお客様のカルテは作成していましたが、どこにでもある連絡先程度のカードでした。と、いうより書く必要がありませんでした。
ここに来てカルテに記入しておかないと次回の施術に活かせなかったこともあり、記入内容も何度も煮詰め直してお客様の把握に努めました。
来店時の身体の状態やツラい症状、お聞きした内容、施術後の状態などをなるべく書きとめて、次回来店されるまでに活かせるように準備をするようになっていきました。
ここからどうしたらもっと深部から緩めることができるのだろうか?という追求が始まりました!!
もみほぐしとリンパマッサージを組み合わせた施術、フレッシュアップセラピーを行うようになり疲労回復効果は現われていたのですが、それだけではどうしても深部の筋肉の硬さやコリがほぐれないことに疑問を感じていました。
どうしたらもっと深部から緩まるのだろうか?と追求していくと、反射法といわれる身体全身を緩めリンパや血流をよくし、カラダ全体を活性化させる技法があることを知りました(反射法についてはHPの施術詳細をご覧ください)。
3年にかけて練習実践を重ね、その技術を習得し施術に取り入れていきました。
反射法を施術に取り入れたことで、その後に行う「ストレッチ・もみほぐし」の施術が今まで以上に身体の深部まで届くようになり、短時間で可動域が広がりコリが解消するようになりました。
また、来店されたときの心の緊張があると、なかなか身体全体が緩むのに時間がかかることから呼吸法を取入れるようになりました。
様々な呼吸法を試しながらやってみましたが、結果的に自分のペースでゆっくりと深く吸って、ゆっくりと深く吐く呼吸を意識して行うだけでも、副交感神経が優位になり十分リラックス効果が高まることも分かってきましたので、ナチュラルスタイルの呼吸法はこのスタイルで行くことにしました。
反射法と呼吸法の組み合わせを施術に取り入れたことによって、身体に負担をかけることなく深部まで緩め、より自然に近い形で血流・リンパの流れをよくすることができるようになったのです。
本格的にカウンセリングを施術の一部として取り入れることになる
深部を緩める施術を取り入れたことで、施術の効果は以前に比べて格段に高まっていたのですが、それでも以前と同じ部位に違和感を感じる方もいれば、別の症状が現われる方がいる。
「んん~!? あんなに緩んでいたのにこんなに硬くなられているのはどうしてだろう?このお客様は普段どんなことをされているのだろうか?」とその方の普段の行動に興味が湧いていくようになりました。
そんな中、たまたまたTVで見た精神科の女医さんが、「カラダの疲れは心の疲れに、心の疲れはカラダの疲れに現われてくるから、心の疲れを取ると身体も楽になる」ということを言われていて、女性の疲れの原因の背景にはライフスタイルやメンタル面とも深く結びついていることを知りました。
当時は施術にたっぷりと時間をかけた方がいいという考えしかありませんでしたので、カウンセリングは約10分程度の時間で、気になられている症状とメニューの希望をお聞きするという内容だったのですが、女医さんのお話を聞いたことを機に、お客様それぞれにライフスタイルをお聞きした方がより疲れの原因が把握でき、身体を楽に出来るのかも知れないと思い、本格的なカウンセリングを取り入れることにしました。
ところがライフスタイルをお聞きするということは想像以上に難しく、今までと違うプライベートなことを聞かれることに抵抗を感じる方が多かったでしょうし、私の質問の仕方や返し方などからセラピストになにか評価されているように感じられたのか、積極的に話される方はほぼいませんでした。
ですので当然、「話はいいから施術だけしてほしい」といった声も多くありましたし、悲しいことに理解いただけないまま離れていかれたお客さまもいらっしゃいました。
ここまでのことをやっているリラクゼーションサロンは他にないため、今考えても異質なところかなと、正直な話、やっぱり施術だけをやっていた方がいいのかなと諦めかけた時もありました。
ですが、お客さまの身体を楽にするためにはどうしてもカウンセリングは必要だと思い直し、専門的な知識が必要なんだと考えて、メンタルケア心理士の取得を目指しました(現在心理専門士1級を取得中)。
心理学を学ぶ上で解剖生理学が基礎となることから、やはり心とカラダは繋がっているということの再確認にもなりました。
心理学の勉強をしながらお客さまと向かい合う日々を重ねて徐々にカウンセリングにかける時間が長くなり、資格取得後以降からは本格的にカウンセリングに1時間、なるべく時間をかけてお話をお聞きできるようになっていきました。
カウンセリングを取り入れたことによって、日々のライフスタイルからくる症状が身体のどこに現われているのかを把握し、お客さまおひとりおひとりに合わせた施術を組み立てることができるようになり、より症状の緩和効果が得られるようになっていきました。
それはお客さまにとっても、ご自身の話をすることでセラピストとの信頼関係を築け、緊張がほぐれ、施術の効果を倍増する結果をもたらしていますし、お客さまご自身がご自分の生活を振り返るきっかけにもなっているように思います。
カウンセリングを行う目的は【お客さまのライフスタイルの把握と施術の見立てをすること】
ですが、まだカウンセリングに慣れておられない方のほうが多いと感じていましたので、休業期間にもう一度練り上げ、セラピストとお客さまとの約束事を設け、書面にて一緒に読み合わせを行い、お客さまの同意を得てからカウンセリングを行うことにしました。
それによって以前に比べるとお客さまに誤解を与えることが減り、安心してカウンセリングを受けていただけるようになってきたと思っています。
お客さまからは「カウンセリングに1時間も?」「トータル3時間?」と最初は驚かれるのですが、受けていただいた方からは「あっという間でもう終わりですか?」と逆の印象の声をお聞きしています。
こちらとしてもお客さまのことを把握しようと思うとまだまだ時間が足りないくらいです(笑)
今ではカウンセリングがNSの肝と言っていいくらい施術の一部になっています。
今後は、さらにカウンセリングの基本である、「お客さまのプライベートに踏み込み過ぎない、誘導になってしまわない」よう気を付けながら症状の把握と施術の見立ての精度を高めていきたいと考えています。
これまでのカウンセリングで疲れや不調の背景であるライフスタイルを把握していくと、疲れの原因は肉体的疲労、精神的疲労、神経疲労が複合して現れていることが分かってきました。
定期的にチラシを作成し新聞に折込みしていたのですが、この時期のチラシを界に50歳前後の女性の再来点率が増えてきました。
何かこの年代ならではの不調があるのかな?というまた新たな問いが生まれ、調べていくと【更年期】が関係していることが分かってきました。
当時の私は20代で正直更年期について聞いたことがあるような…程度でほぼ無知の状態でしたので、ここから更年期についての猛勉強がスタートします。
更年期って?女性ホルモンのエストロゲンって何?どんな役割?何でなくなるの?なくなったらどうなるの?
勉強が得意ではない私にとって、更年期について理解するまでには相当な時間がかかったのは事実です(泣)
それからはインターネットや図書館に行って更年期にまつわる本を調べたり、実際に婦人科学会や、製薬会社主催のセミナーにも参加させていただいたり、片っ端から情報を集めていきました。
更年期について詳しくはHPの【更年期について】に載せていますのでご覧ください。
女性の身体は元々子どもを産み育てるために女性ホルモンが分泌されていて、特にエストロゲンは妊娠・出産だけでなく、身体全身の多岐に渡って様々な働きを担ってくれているいわばお守りのような存在として女性の心身の健康を守ってくれているという女性ならではの身体の仕組みがあることを知りました。
ところがこの働きがいつまでも続くわけではなく、40を過ぎると卵巣機能が低下しエストロゲンが減少するため体や心に様々な不調が現れやすくなる。
他の病気が隠れていなければこれは女性みんなに訪れる身体の自然な変化であり、ここからはお守りに頼らずに自分で自分の身体を自己管理していくときなんだということが分かりました。
更年期に出てくる症状は100人いたら100通りあるといわれるほど個人差があり、1人でいくつもの症状をかかえていたり、様々な不調が日替わりで現れたり、症状が治ったと思ったらまたぶり返す、昔の古傷が再発しやすく弱いところに出やすいといった変化も更年期の特徴ということが分かってきました。
(閉経の時期は人によって異なりますが)女性ホルモンの減少は誰にも訪れるのに、みんなに同じ症状が出るわけではないのはなぜなのだろう?
調べていくと、その方のライフスタイルや体質や環境、考え方なども複合的に絡んでいるからということも見えてきました。
そうであれば女性の身体は初潮から閉経まで繋がっていて、今の身体は今までの生活の積み重ねからつくられているのだから、これまでどのようなことをされて、どんな風に過ごしてこられたのかも把握した上で、今の生活や症状を聞く必要があるのではないか?そうすればもっとその方の身体の見立てができるのではないかと考え、カウンセリングに生育歴や生活歴を振り返りながら話していただくという内容を組み込んでいきました。
そうすることによって症状の原因だけでなくその方の身体の使い方や姿勢の癖、症状が出やすいところなどを把握できるようになり、回数を重ねる毎によりその方に合った施術の組み立ての精度が上がりました。
またこの時間は普段お忙しくてなかなかご自分の身体に目を向ける時間がつくれないお客様にとってもご自身の身体を知るきっかけになり、心と体両面からリラックスするという体験の積み重ねを通して、結果ご自身での生活の見直しに繋がっていっていると言えます。